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ロボメイツとは

産業用ロボットの導入に必要な人材を育成する教育プロジェクト

ロボメイツとは、新たな労働力として注目されている産業用ロボットを導入する際に必要な人材である「ロボットオペレーター」や「ロボットシステムインテグレータ」を育成するための教育プロジェクトです。
小学生から高校生、高専生までの児童・生徒に、産業用ロボットやプログラミングについての知識習得の機会、体験の場を提供します。
主な活動内容
・ロボット操作体験会の開催(学校への出張授業、イベント等)
・産学連携によるオリジナルロボット教材の開発
・オンライン学習教材や動画の提供
・ロボット関連企業への訪問コーディネート
・ロボットSTEAMスクール「ロボキャン」の運営など

 

動画制作会社が、なぜロボット教育事業を?

はじまりは動画・Web制作

株式会社エアグラウンドは、もともと動画・Webの制作会社です。社長をはじめカメラマンやWebデザイナー、ライターが在籍し、動画やWebサイト、パンフレット、チラシ等の制作をするクリエイター集団で、2008年の創業当時はロボットの「ロ」の字もありません。
地元尼崎で、製造業を中心に企業のホームページや動画を制作していました。

地元尼崎の製造業がピンチ!

企業広報に携わる中で、経営者の皆さんからある共通した悩みを聞きます。
「仕事も、設備や技術もある。でも、肝心の人手が足りない!」
若者を採用したいが、高いお金を出して求人サイトに出しても中小企業は注目されず、面接どころか会社見学にも来てもらえない。切実な問題でした。

学生と企業を結ぶ活動を開始

当社は動画・Web制作会社として、地元・尼崎の高校や大学からインターンシップの学生を受け入れていました。「学生たちに、地元企業の良さを知ってもらえたら」。そこで、当社の技術を生かして学校、学生と企業を結び付ける活動を開始しました。
それが「学生とつくるシゴト図鑑 ワザカタログ」の制作です。インターンの大学生や高校生と一緒に地元企業を取材し、動画と写真、文章で紹介する冊子・Webサイトを自社で発行。尼崎市長や教育関係者、企業の方々をお招きして、無事、完成披露会を行いました。2020年2月、新型コロナウイルス感染拡大の直前でした。

コロナ禍で「リモート」「ロボット」に着目

新型コロナウイルスの感染拡大により、動画・Web制作事業は大打撃を受けました。企業へ撮影に行けず学校にも入れず、イベントも中止になり、世の中は「リモート」社会へ。講演会や大学の授業、各種習い事など動画配信の依頼が増え、大学生や高校生はリモート取材で「ワザカタログ」を作りました。
一方、製造業の現場ではスタッフが出勤できない事態が発生し、人がいなくても生産できるロボットが注目されました。しかしその導入には「ロボットを動かせるオペレーターがいない」という新たな問題が。ベテラン社員が今から新しく覚えるのは現実的に難しく、若者を採用したいというニーズが生まれたのです。

ロボットを動かす人材教育の新事業「ロボメイツ」立ち上げ

企業や学校の抱える課題、ニーズ

・企業:若者の採用難、ロボット導入のネックとなっている人材不足
・高校:生徒の企業見学や職業体験、地元企業の課題解決をする授業
・小学校:プログラミング授業の開始と教材やノウハウの不足

こういった課題やニーズから、2021年に産業用ロボットの導入に必要な人材、ロボットオペレーターを育成する「ロボメイツ」事業を立ち上げました。
先述したように、私たちはもともとカメラマンやデザイナーであり、ロボットに関しては素人でした。まず当社代表の畠中が特別教育を受け、さらに産業用ロボット特別教育インストラクターの資格を取得。実際に社会でロボットが活躍する様子やロボット操作、プログラミングの学習を通して、高校生たちにロボットオペレーターという職業について知ってもらうところから始めました。

大学生と高校生、小中学生のリレー型体験学習

「ロボメイツ」の教育プログラムは、大学生→高校生→小中学生と教えをつないでいく「リレー型体験学習」を特徴とします。例えば、初めに当社のスタッフがロボット操作を大学生へ教え、次に大学生が高校生へ教え、高校生が小中学生へ教えるという流れです。
人に教えるには自分が正しく理解すること。年下の子に教えるには、わかりやすい言葉や伝え方を考えることが必要です。「リレー型体験学習」は学習内容への理解を深め、人に伝えるトレーニングになります。当社には協力してくれるインターンやアルバイトの大学生がいるため、このリレーが可能です。高校生は「人に教えること」を念頭にロボット操作を練習するほか、小中学生向けに伝える手段や言葉、演出、内容を考え、台本を練るなど工夫を重ねます。

尼崎市立尼崎双星高等学校の授業では、情報系や工業系ではない商業学科の生徒がロボット操作やプログラミングに挑戦します。自ら学んだことをやさしく面白く、分かりやすい言葉で小学生に教えることで、素晴らしいコミュニケーション力を発揮してくれています。
一方、ものづくりの得意な工業系の高校とも連携しています。神戸市立神戸工科高等学校の生徒はロボット教材を何十台も量産した上、小学校の授業では、商業学科の生徒が小学生に教える教室の隣にブースを設置し、ロボットの調整・修理をしてくれました。
このように、商業・工業それぞれの強みを活かしたロボット体験授業ができるようになりました。

ロボメイツの活動

沿革

2018年度

・教育事業をスタート
 動画制作と地域の魅力発信をテーマに高校の授業へ参加

2021年度

・9月:教育事業として産業用ロボット人材育成プログラム「ロボメイツ」立ち上げ
・9月:尼崎市立尼崎双星高等学校で授業(商業学科3年対象)
 学生が教え合う「リレー型体験学習」形式を考案、実施
・11月:尼崎市立尼崎双星高等学校 高校生フェア(商業フェア)子ども向けロボット講座
・2022年1月:尼崎市立尼崎双星高等学校
 高校生が先生役を務める小学校でのロボット体験授業(新型コロナウイルスの感染拡大状況の悪化により中止)
・2月:尼崎市立琴ノ浦高等学校 アームロボット講習会

2022年度

・産業技術短期大学(尼崎市)との産学連携開始、二井見博文教授と共同でロボメイツ教材開発
・尼崎市立尼崎双星高等学校、兵庫県立川西明峰高等学校で授業
・8月:尼崎城で子ども向けロボットプログラミング体験イベント
・8月:産業技術短期大学 小学生向けロボット組み立て体験会
・9、10月:尼崎市立尼崎双星高等学校、同市立上坂部小学校
 高校生が先生役を務める小学校でのロボット体験授業が実現
・9月:国際フロンティア産業メッセ2022(神戸)へ初出展
・10月:Japan Robot Week 2022(東京)へ初出展
・10月:尼崎商工会議所でロボットプログラミング体験講座を企画・運営
・10月、2023年1月:パナソニック コネクト株式会社様による高校への出張授業(2校)企画
・11月~2023年4月:流通科学大学(神戸市)清水ゼミ 講義に参加。ロボメイツをテーマにマーケティング企画実習
・12月:高校生ロボットSIリーグで愛知初出展
・12月:産業技術短期大学の学生が学会でロボメイツ活動について発表。優秀講演賞受賞
・2023年2月:尼崎市立尼崎双星高等学校商業学科ロボメイツ班
 尼崎近郊での活動報告会および尼崎市長期実践型インターンシップ報告会で発表
・2月:尼崎市立尼崎双星高等学校商業学科ロボメイツ班が、全国高等学校生徒商業研究発表大会兵庫県大会に出場
・3月:東華護謨(とうかごむ)工業株式会社様より、ロボットの材料となる輪ゴム寄贈

2023年度

・産業技術短期大学の二井見博文教授と神戸市立神戸工科高等学校の恒松良太先生、生徒と、教育用ロボット「あまロボ」を共同開発、量産
・神戸市立神戸工科高等学校、尼崎市立尼崎双星高等学校、兵庫県立川西明峰高等学校で授業
・1月~8月:レスキューロボットコンテスト2023に出場
 小学生から大人までの混成「チームロボメイツ」
 ロボメイツ支援企業の有限会社中野製作所様の社員さんもメンバーに加入
・6月:ロボットSTEAMスクール「ロボキャン」開講
・7月:Robot Innovation Week 2023(名古屋市)に出展
・8月:みんなのサマーセミナー2023(尼崎市)に参加。産業技術短期大学、関西国際大学の先生や学生とロボキャン体験会を開く
・8月:神戸市立神戸工科高等学校「ロボット大作戦 ロボメイツ」小中学生を対象に、学校見学とロボット体験を組み合わせたイベント
・9、10月:尼崎市立尼崎双星高等学校、同市立上坂部小学校/高校生が先生役を務める小学校でのロボット体験授業
・10月:尼崎市立尼崎双星高等学校 尼崎市民まつりでロボット体験会
・11月~2024年2月:国際ロボット展(iREX)高校生&高専生向け動画を制作、公開。
 事前の企業紹介動画のほか、未来ロボティクスエンジニア育成協議会(CHERSI)の参画企業・団体が出展したロボットや
 ブースの様子を産業技術短期大学の学生が取材したレポート動画も。ロボメイツMAGAZINEサイトにて公開
・2024年2月:尼崎でつながる地域の活動報告会および尼崎市インターンシップ報告会
 尼崎市立尼崎双星高等学校、神戸市立神戸工科高等学校が発表
・2月:広島大学のラボで小学生対象のロボット体験セミナーを開催

2024年度

・神戸市立神戸工科高等学校、神戸市立科学技術高等学校、尼崎市立尼崎双星高等学校で授業
・5月:神戸市立神戸工科高等学校 川崎重工見学
・5月:兵庫県高等学校教育研究会工業部会の総会で、当社代表が講演
・7月:神戸市立神戸工科高等学校 わくわく楽校(神戸市青少年会館)
・8月:神戸市立科学技術高等学校 ロボキャン特別講義開催
・8月:神戸市立神戸工科高等学校、神戸市立科学技術高等学校
 レスキューロボットコンテスト2024併催行事「あそぼう!まなぼう!ロボットランド」
・9月:神戸市立神戸工科高等学校(先生)、産業技術短期大学(教授) 静岡で初のロボメイツイベント
 静岡県榛原郡吉田町の「ちいさな理科館」で、株式会社ヤナギハラメカックス様とロボットハンド工作・プログラミング体験教室を開催
・9月:尼崎市立尼崎双星高等学校:尼崎市立上坂部小学校でのロボット授業1回目
・10月:尼崎市立尼崎双星高等学校:尼崎市民まつり
・10月:尼崎市立尼崎双星高等学校、神戸市立神戸工科高等学校:尼崎市立上坂部小学校でのロボット授業2回目
・11月:尼崎市立尼崎双星高等学校:ポノポノプレイスで小学生向けロボット体験イベント
・11月:尼崎市立尼崎双星高等学校:商業教育フェア(あまがさきキューズモール)
・11月:神戸市立神戸工科高等学校:KOBE × GIGAフェス
・12月:神戸市立神戸工科高等学校:あいちロボフェス
・2025年2月:神戸市立神戸工科高等学校、尼崎市立尼崎双星高等学校 尼崎でつながる地域の活動報告会

2025年度

・現役大学生がロボメイツオリジナルロボットを開発中
・尼崎市立尼崎双星高等学校、兵庫県立武庫荘総合高等学校で授業

地元の学校と企業の産学連携による教材開発・授業

・2021年度

高校でロボメイツ授業開始

尼崎市立尼崎双星高等学校で授業を開始。5か月にわたり、ロボット授業と小学生向けイベントの企画など準備を行ったものの、新型コロナウイルス感染拡大状況の悪化により直前で中止を余儀なくされました。

・2022年度

高校生による、小学校でのロボット体験授業が実現

次の3年生が1年越しに小学生向けの授業イベントを実現し、小学生だけでなく先生方からも好評を得ることができました。高校生たちはロボメイツの活動報告が評価され、全国高等学校生徒商業研究発表大会兵庫県大会へ出場しました。

大学教授とロボット教材開発を開始

尼崎市にある産業技術短期大学との産学連携、二井見博文教授(機械工学科)と共同でのロボメイツ教材開発がスタートしました。

・2023年度

短大、高校、企業と協力し、アームロボット教材を開発・量産

アームロボット教材「あまロボ」など複数のロボットを組み合わせた小さな工場「ミニマル工場」という新たな教材の開発に取り組み、産業技術短期大学の二井見博文教授と、この年度から新たにロボメイツ授業を始めた神戸市立神戸工科高等学校と共同で開発・量産を行いました。

また、神戸の東華護謨(とうかごむ)工業株式会社様より、輪ゴムを寄贈いただきました。パクパクハンドや手動式アームロボット教材は輪ゴムを先端部分に使ってばねの力で開閉し、ロボットSTEAMスクール「ロボキャン」などで用いるコップ型お絵描きロボットにも輪ゴムを使いました。そのほか、地元尼崎のものづくり企業である有限会社中野製作所様には、ロボットのハンドの部分を模した教材「パクパクハンド」のパーツを製作していただきました。

これらの教材を使い、尼崎市立尼崎双星高等学校商業学科の生徒が尼崎市内の小学校で教えるロボット授業を開いたほか、神戸市立神戸工科高等学校などでも小中学生向けのロボット体験イベントを開催しました。

国際ロボット展(iREX)紹介動画を制作、公開

授業や展示会等を通じて、さまざまなロボット関連の企業や団体の方とつながりができました。その一環で、国際ロボット展(iREX)の高校生&高専生向け動画を制作、公開。出展する未来ロボティクスエンジニア育成協議会(CHERSI)の参画企業・団体について紹介しました。この動画は、ロボメイツMAGAZINEサイトのCHERSI(チェルシー)のページで見られます。

左:手動型パクパクハンド、右:電動型パクパクハンド
神戸市立神戸工科高等学校でのイベント

2024年度

工業系の高校生が小学校のロボット授業へ参加

神戸市立神戸工科高等学校の生徒が、小学校の授業で使う新たなアームロボット教材の量産に取り組みました。細かな部品を作って何十台分も組み立て、小学校でのロボット体験授業の当日も参加。ロボットの調整や修理を行い、トラブルに対応しました。高校生が小学生に教える過程に、工業系の生徒がロボットを作り、商業学科の生徒が教えるという流れが加わり、リレー型体験学習の新たな形ができてきました。

高校生がロボットスクールで小学生に特別講義

神戸市立科学技術高等学校でロボメイツの授業を行い、夏休みには、生徒たちが当社のロボットSTEAMスクール「ロボキャン」で特別講義を開催しました。受講生の小学生たちは高校生の作った二足歩行ロボットを操作して、教えてもらいながらさまざまな競技に挑戦。高校生がロボット好きという共通点を持つ子どもたちに教え、交流するリレー型体験学習を行うことができました。

企業と共同でロボメイツ体験講座を開催

株式会社ヤナギハラメカックス様と、同社のある静岡県の「ちいさな理科館」で、ロボットハンド工作とプログラミング体験教室を開催しました。当社はこれまで、尼崎市等のイベントで体験講座を開いてきましたが、ロボメイツを支援してくださっている企業様と共同での開催は初めてで、念願の実施となります。このような企業とのロボット体験講座を全国各地で開き、子どもたちに産業用ロボットについて知り、ものづくりやロボットを動かす楽しさを実感してほしいと願っています。

・ロボメイツの活動については活動レポートのページへ
・ロボメイツの教材についてはスクール・教材のページへ
・ロボメイツの活動を実施した学校については学校紹介のページへ

ロボメイツの活動から、スクール「ロボキャン」が誕生

小学4~6年生を対象に開講、大学教授が監修、講師を務める

ロボメイツの活動を開始して3年目の2023年6月には、ロボットSTEAMスクール「ロボキャン」が誕生しました。
それまでは小学校の授業や尼崎の地域イベントなどで、ロボット体験のワークショップを行ってきました。そこで子どもたちから上がった「もっと知りたい、学びたい」との声に応える形で、小学4~6年生を対象にしたロボットスクールを開講することになりました。
産業技術短期大学様にスペースをご提供いただき、二井見博文教授に監修、講師を務めていただくなど多大なご協力を賜って開講し、2025年現在は3期目です。卒業生を対象に、中学生ロボキャンも2024年度より実施しています。
同スクールでは、プログラミングだけでなく、工作を通したものづくり、そして子どもたちの「やさしい心」の成長も重視しています。小中学生が教え合う機会を設けているほか、ものづくりの過程で生じる試行錯誤や課題を乗り越える時に助け合えるよう、話しやすい雰囲気づくりをしています。

ロボットを作り、使い、“できる”を広げる
ロボットSTEAMスクール ロボキャン

ロボメイツの活動の詳細については、活動レポートのページをご覧ください。