活動レポート

尼崎双星高校の生徒が小学校で「ロボット体験」出張授業/後編

高校生が小学生に教えるロボット授業の2日目

ロボット操作、プログラミングとハンドの工作

尼崎市立尼崎双星高等学校の商業学科3年生が、「後期課題研究」の授業でロボメイツの活動に参加。「わくわくロボット操作体験 ロボメイツ」と題して実施した尼崎市立上坂部小学校での出張授業で、先生役を務めました。9月に引き続き10月25日に行われた授業では、小学6年生約90人がロボット模型のハンド部分の工作と、アームロボットを使った「ミニマル工場」の操作を体験しました。

今年度の教材

ロボットのハンド部分の教材「パクパクハンド」

産業技術短期大学の二井見博文教授が設計した「パクパクハンド」は、アームロボットの先端でものをつかむハンド部分を工作キットにした教材です。子どもが自分で組み立て、ネジを締めて作ります。本体にペンを差し込んで片手でペンを握り、もう片方の手でひもを引き口を開閉させると、ハンドの動きが再現される仕組みです。小学校で習う支点、力点、作用点の「てこの原理」の学習にもなり、力がいらず操作も簡単です。

今年度は、手動タイプを進化させた電動タイプを新しく導入。モーターを付け、コンピュータで動かせるようにしました。

このパクパクハンドは尼崎の有限会社中野製作所様が量産してくださり、ハンドに必要な輪ゴムは神戸の東華護謨(とうかごむ)工業株式会社様よりご提供いただきました。

工場を机の上に再現したオリジナル教材「ミニマル工場」

ミニマル工場は、産業技術短期大学の二井見教授、神戸市立神戸工科高等学校との共同研究で開発・量産したロボメイツオリジナル教材です。

ミニマルは「最小限の」という意味で、教育用小型アームロボットなど複数のロボットを同期して作業させる協調制御を行い、小学校の机の上に最小限の工場を再現することをコンセプトとしています。作業する対象物を運んでくるベルトコンベアや、物をつかんで決まった場所に置くアームロボット「あまロボ」、コントローラなどを組み合わせることで、例えば食品工場や部品の組み立て工場などが再現できます。

神戸工科高校の生徒がコツコツ製作してくれたおかげで量産に成功。従来の市販のロボット教材は8台で子ども5、6人に1台でしたが、このミニマル工場は20台で2、3人に1台となり、授業時間内で触れる人数が増えました。

授業の様子

ロボット工作で「こまった栗拾い」ゲームをクリア

「パクパクハンド」の工作では、9月に行った1回目の授業で体験したネジ回しの練習の成果を発揮。ドライバーを使いパーツを組み立てて完成させると、パクパク開閉させて楽しみました。

さらに電動型のパクパクハンドも操作して、「こまった栗拾い」ゲームにも挑戦。栗のイガは手で触ると痛くてつかめないので、パクパクハンドを使うというストーリーで、ハンドの先端を開閉させて栗に見立てたブロックをつかみ、積み上げていきました。

また、このパーツを量産してくださった有限会社中野製作所の折田さんが来校し、児童の作業のサポートなどにご協力いただきました。

「こまったピザ屋さん」を助けるミニマル工場

教材「ミニマル工場」には、産業用ロボットにあるリーダーフォロワー制御を実装。コントローラはアームロボット「あまロボ」と同じ形をしているので、ロボットへ動きを覚えさせるティーチングが小学生でも簡単にできます。

このプログラミング体験は、神戸工科高校の生徒が考案した「人手不足で困ったピザ屋さんを救う」という設定で行いました。小学生たちはロボットオペレーターとして、コントローラによるアームロボットのティーチングに挑戦。ピザの具材をベルトコンベアで運び、アームロボットでつかんでターンテーブルに載せる自動化で「ピザ生産ライン」を構築する、というミッションに取り組みました。

2日間の授業を終えて

小学生の感想

ロボット体験後に小学生を対象に行ったアンケート調査では、提出した88人全員が「ロボット操作が面白かった」、アームロボット、プログラミングそれぞれに対し、75%以上が「興味を持った」、65%以上が「今後も学びたい」と回答。

「自分で作ったり、操作したりすることでそれが成功したときがとてもうれしく、楽しかったです」とのコメントのほか、「もっと大きいロボットを」など意欲的な言葉も聞かれました。

高校生との授業については、「分かりやすく教えてくれた」「やさしい」「面白かった」という感想が多くありました。

高校生の感想

小学生へ教える前に自分たちがロボット操作を学んだ時は、「楽しかった」「初めてだったので新鮮」との声がある一方で「難しかった」という生徒も。そんな中でも練習を重ね、話し方や言葉選び、目線、笑顔、リアクションなど小学生向けにたくさんの工夫をしたとのレポートがありました。

「小学生が楽しそうにしていてうれしくなった」「緊張したし、予定外のこともあったけれど良い経験になった」と充実感があったようです。

小学校の先生方の感想

小学校の先生方の感想です。

・ロボットの授業と思うと身構えがちだけれど、とても楽しそうで、興味を持つきっかけになればと思った。
・プログラミングしたものが実際に動くのを見て、感動する子がたくさんいた。
・高校生に教えてもらうことはめったになく、コミュニケーションもたくさん取ってもらえて楽しそう。
・小学校生活で完結しがちな小学生たちが、高校生になるその先のイメージを持つことができたらと思う。

そのほか、難易度や人数、時間配分といった運営・進行面についてさまざまな感想や意見をいただきました。今後の参考にしてまいります。

尼崎双星高校の生徒が小学校で「ロボット体験」出張授業 前編では、1日目の授業の模様をお伝えしています。

ロボメイツMAGAZINE>スクール・教材>ロボット教材「ミニマル工場」

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